カテゴリー : 太陽電池

太陽電池製造装置向け投資、Q2’12に底打ち。2013年~2016年は高成長の見通し

調査会社米Solar Buzzは、太陽電池市場の今後の見通しについて発表した。
それによると、大手PV(太陽電池)メーカーの設備投資が2013年から回復、2016年にかけて二桁成長を続ける見通し。競争力のない生産ラインは企業破綻を受けて待機や廃止に追い込まれており、こうしたPVメーカーの淘汰を経て生産能力拡張計画が上向くとしている。

NPD SolarbuzzのバイスプレジデントFinlay Colville氏は「非稼働ラインの生産能力の縮小は、PV製造装置メーカーが今後に向けて拡張計画を立てている理由の1つにすぎない。大手PVメーカーは、2012年は既存生産ラインの稼働率を下げて操業する一方で、ウエハーやセルの外注製造レベルを上げようとしている。こうすることでPV産業の需給バランスを健全な状態に戻し、新規設備投資を妨げる要因を取り除こうとしている」と述べている。

Q1’12のPV製造装置収益(結晶シリコンインゴット~モジュールと薄膜を含む)はここ10四半期で最低の17億5000万ドル、前期比27%減・前年同期比51%減となっている。しかし、設備投資の減少傾向は6四半期連続のマイナス成長を経てQ2’12にようやく底を打つと見られる。

設備投資の回復は第一に、大手メーカーのなかの上位グループによる新規受注がリードすることになる。2013年以降の市場シェア拡大に向けて生産能力拡張計画が見直されることから、2012年下半期には新規受注が前期比でプラス成長になると見られる。こうした動きはPV製造装置のBBレシオ(book-to-bill ratio)にも反映、2012年下半期にはパリティを上回るレベルに戻ると予想される。

2012年は装置メーカーの順位に大きな変動
ここまでの投資の著しい減速傾向は2012年のPV製造装置メーカーの業績に大きな影響を与えている。大手装置メーカーの大半はPV産業からの収益が前年比で60~80%の減少となる見通し。

装置メーカーのなかでも、これまでにPV産業に近い市場(半導体やディスプレイ、LEDなど)での経験がある企業は投資サイクルへの対処方法を知っているため、2012年のPV設備投資減速への対応に有利な立場にあるという。一方、PVを基幹事業として重点的に取り組んできた企業は減速の影響が特に大きく、人員整理や営業利益の悪化の可能性が高くなる模様。

また、Finlay Colvilleは「PV製造装置サプライチェーンからの収益が著しく減少し、装置メーカーランキングは2012年に入って変動しつつある。2011年末までにPV製造装置のバックログ(受注残)を積み上げて繰延収益を多く計上できた装置メーカーや、2012年に新規能力拡張を行う大手メーカーとの間にその優先取引先としての関係を築いている装置メーカーが、2012年のランキング上位に来るだろう。」とした。

Meyer BurgerとGTATが首位争い
純粋に直近12カ月のPV産業からの収益に基づくと、2012年上半期にはMeyer BurgerがPV製造装置メーカーランキングのトップに立つと予想する。これにより、Applied Materialが2008年から14四半期維持した首位の座を手放すことになる。Meyer Burgerが躍進した要因として、Roth & Rauの2011年下半期分のPV収益の大部分を集約したこと、また2011年末までに積み上げた繰延バックログが非常に多いことが挙げられる。

その後、2012年末にかけて、GTAT(GT Advanced Technologies)が収益認識ベースでPV製造装置メーカー首位に浮上してくるという。GTATは現在、ポリシリコン生産拡張向けのCVDリアクタ中心のバックログを多く持つ唯一のPV製造装置メーカーで、その投資フェーズは結晶シリコンインゴット~モジュールや薄膜の投資サイクルとは直接関係していない。


NTT、GaN系半導体の新たな剥離プロセスを開発

NTTは4月11日、GaN系半導体をサファイア基板から簡単に剥離するプロセスを開発し
たと発表した。開発した技術はMeTRe法(メートル法:Mechanical Transfer using a Release layer)と呼ぶもので、サファイア基板上に層状の結晶構造を持つ高品質BN薄膜を積層させ、その上に高品質薄膜素子を積層させる。BN薄膜が“切り取り線”の役割を担うため、簡単に剥離し別の基板に貼り付けることが可能。これにより、2μm厚といった非常に薄いGaN系半導体薄膜素子を低コストで作製することが可能になるという。今後、LEDや太陽電池への応用を図っていく計画。


東大/JST/オーストリアJohannes Kepler大学、世界最薄・最軽量の有機薄膜太陽電池を開発

東京大学 大学院工学系研究科 染谷隆夫教授と関谷毅准教授は4月3日、科学技術振興機構およびオーストリアJohannes Kepler大学Linz校と共同で、世界で最薄かつ最軽量の有機薄膜太陽電池の開発について公表した。開発品は厚さ1.4μmの極薄プラスチックフィルム(PET)上に、透明電極(厚さ150nm、PEDOT:PSS)、活性層(同200nm、P3HT:PCBM)、電極(同115nm、Ca/Ag)を積層して作製した。活性層は有機溶剤にp型半導体とn型半導体をブレンドして溶解させたインクをスピンコートで形成した。透明電極はスピンコート、電極層は蒸着で成膜している。変換効率は4.2%、1g当たりの発電量は10Wに相当する。また、曲げ半径35μmに折り曲げても変換効率を維持しつつ、機械的にも破壊されない。さらに、同太陽電池を応
用して、300%伸縮させても電気的・機械的な特性が劣化しない伸縮自在な太陽電池も開発した。あらかじめ伸ばしておいたゴム基板上に同太陽電池を貼り付けてから、元の大きさまでゴム基板を緩和させるという方法で、300%引っ張っても壊れないことを確認した。用途は、携帯情報機器、宇宙に打ち上げてから大きく広げて使用する電力供給源、身に着けても重さを感じさせないヘルスケアや医療用デバイスの電力供給源などを想定する。

Q1’12の太陽光発電世界需要は前年比146%増、ドイツの政策調整への期待から

PVメーカーはQ1~Q3の需要に沿って2012年出荷増を計画

2012年 4月2日発表(米国カリフォルニア州サンタクララ)—欧州の流動的な政策環境が追い風となって2012年初めのPV(太陽光発電)市場は好調な需要を記録、PVメーカーの年間出荷量増加への下地が整った。

ドイツでのPV奨励政策引き締めの延期などにより、Q1’12の世界需要は前期比35%減ながら前年比では146%増と大幅に拡大し6.9GWに達する見込みとなった。一方、2012年下半期は欧州需要が上半期に比べて27%減少する見通しで、例年と異なる動きを示すことになると見られている。

PV産業の最終市場収益は、Q4’11に世界全体で354億ドルに到達しQ4’10以来の最高レベルを記録したが、Q4’12には出荷量の減少と価格の下落により220億ドルまで落ち込むと予想されている。今から1年前には出荷と生産の両面で楽観的過ぎる見通しが立てられており、Q1’11~Q3’11の需要が世界的に脆弱だったため、昨年はPVチェーン全体で価格が崩壊する結果となった。

NPD SolarbuzzアナリストのMichael Barkerは「大手のセル/モジュールメーカーは2012年出荷計画を前年比23%増としており、昨年同時期の2011年出荷計画が同40%増だったことを考えるとかなり低い。2012年上半期に見込まれている需要の伸びがこれらメーカーの出荷増加計画の裏付けとなるだろう。しかし、2012年各四半期の予測によればQ4’12には生産量の削減が必要で、結果的には2012年末までの出荷量は前年比13%増にとどまることになりそうだ」と述べている。

Solarbuzz Quarterlyによると、中国や台湾、その他地域のメーカーの生産量シェアはQ4’10の69%からQ4’11には78%に上昇しているが、Q4’12のシェアは79%で今後は穏やかな伸びに留まる見通しである。川上企業のモジュール在庫日数はQ4’11末時点で前期より24%減少したが、これは最終四半期に一部メーカーで生産が減少し出荷が増えたことによる。Q4’11の需要急騰の恩恵を得たのはおもに川下企業で、その在庫日数は81%も減少している。

垂直統合型の欧米や日本のメーカーはQ4’11で粗利益率が3四半期連続マイナス、一方で中国のファーストティアメーカーの粗利益率平均は前期の12%からQ4’11には7%に下がっている。Michael Barkerは「大手PV企業の財務状況は厳しく、これまで以上の大幅な価格下落を吸収する柔軟性はすでにない。これ以上の利益縮小を防ぐために、需給バランスを注意深く見極めることが必要になるだろう」と結んでいる。

http://www.solarbuzz.com/jp/our-research/recent-findings/expectations-policy-adjustments-germany-drive-global-pv-demand-146-yy-q

SunPower、変換効率24%の第3世代太陽電池を量産開始

米SunPowerは3月28日、世界最高となる変換効率24%を達成した第3世代バックコンタクト型太陽電池「Maxeon」の量産を開始した。160mmの大きさで、1m2当たりのエネルギー生産量を比べた場合、従来の結晶系太陽電池よりも多くのエネルギー生産を実現した。逆バイアス時の降伏電圧が低いため、影や埃の多い環境での発電能力が向上。高温環境でも多くのエネルギーを生み出すことができるという。